ハンバーグ~冷やして捏ねることに意味はあるのか~
『ハンバーグは捏ねるとき冷やしたほうがジューシーに仕上がるんですよ~』
みなさん一度はメディア等で聞いたことありますよね?
「常温だと肉の油が溶け出ちゃってパサつく、冷やしたほうが(以下同文)」
ほんまに??
そんな温度10℃前後変えただけで意味があるのか、私は疑問です。
氷水につけながら手が凍えるような思いで捏ねる作業は大変です、やりたくない。
できるだけサボりたい私は今回は食材や分量は同じで常温で捏ねたものと
冷やして捏ねたものの比較実験を行いました。
こんな方に読んでいただきたい
- ハンバーグのおいしい作り方を知りたい
- 食材一つ一つの効果、意味を知りたい
- 捏ねる温度の違いによる見た目、食感の違いを知りたい
まず実験材料となる食材の紹介です。
卵:Lサイズ1個
冷温と常温2回に分けて作業していますが、
工程は同じのため冷温の方のみ紹介します。
(写真では捏ね後の違いに差がなかった)
まず、氷水を鍋に入れ両手を冷やします。
ひき肉と塩だけを入れて捏ねます。
捏ねると粘りが出ますが、それは肉に含まれるミオシンというたんぱく質が
絡み合って網目構造をとることで粘りが出ます。
その網目の中に肉汁がとどまることでジューシーなハンバーグとなります。
ただ、ミオシンは冷えていないと網目構造を取りません。
そのため冷やしながら捏ねろと言われているんです。
ただ、ミオシンは冷えていないと網目構造を取りません!
そのため冷やしながら捏ねろと言われているんです!
本記事の肝です。大事なので2回言いました。
溶け出やすくすることで素早く粘りが出ます。
粘り気が見てわかると思います。これは途中でまだ粘ります。
その他の具材も入れます。
パン粉は牛乳にふやかしてからいれます。
卵:固まるときに肉同士をつなげる言わばつなぎの役割、卵黄には乳化作用を持つ成分があり乳化により口当たりが滑らかになり肉汁の流出を防ぎます。
パン粉:肉汁を吸収してふんわり柔らかくします。
ナツメグ:ハンバーグに入れるメジャーなスパイス臭みけし、動物の臭みに強い
スパイスで牛乳や生クリームにも使われます。
そして捏ねに捏ねます。
捏ねが進むにつれ肉だねがもったりと重くなってくるのが分かります。
全体が白濁すれば完了。空気を抜きながら成形します。厚さは2cmがおすすめ。
それ以上はオーブンで加熱しないとなかなか火が通りません。
デカいハンバーグってテンション上がるんですけどね笑
左が常温、右が冷温のハンバーグです。(左:22℃ 右:12℃)
常温の方がタネが柔らかく成形が難しかったですが見た目に差はありませんよね。
これを常温に戻すとミオシンの網目構造が解けるので
焼くまでに時間があく時は冷蔵庫に入れましょう。
では焼いて断面を見比べます。長々と書いてすみません。
ちなみに温度条件も同じにするため同じフライパンで同時に焼きました。
ハンバーグのサイズも統一。
左が常温バーグ右が冷温バーグ
みなさん、どうですか?
全然違いません?違いますよね?
常温は粒が荒くてボソボソした感じ、切りにくいし。
冷温はキメが細かく密に詰まった感じ。明らかに美味そう。
押しても肉汁ちょろちょろ。気づかぬうちに流れ出ていたんですね。
冷温は押せば出るわ出るわ。ナイアガラの滝と見間違えました。あぶな
押さないと肉汁が出ないのもポイントですね。切って溢れ出る肉汁ハンバーグとか
メディアで出ますがその分口に入れるときには肉汁枯渇してるわけですからね。
実際に食べて評価してみました。
、、、。見た目ほどは差は小さいですねえ。
- 常温の方が赤身感が強く肉肉しい。また肉の粒が大きい。ブリンブリンの食感。
- 冷温はきめ細かい肉粒でほろほろと崩れていく食感。ほろほろと崩れていく隙間に肉汁が仕込まれている。つまりジューシー。
評価項目を設定し点数をつけグラフにしてみました。
好みは分かれると思うのでどちらがいいという判断はしませんが、これだけは言える。
冷やす影響は半端じゃない。